小沢氏辞意余波

「君が君自身であり続けたいのなら、君は変化しなければならない。しかし君は変化することを恐れた。」(『革命か反抗か』)

小沢氏はビスコンティの「山猫」のなかのセリフ、といって引用していたけど、これはサルトルカミュを批判していった言葉だと、内田樹氏から教えられました。

この言葉をレヴィ=ストロースが批判する。

「神話的思考の特徴とは、構成要素が雑多で、広範囲にわたってはいるが有限の語彙を使って自己を表現することにある。どんな仕事の場合でも、それを使用するしかない。というのは手元にそれしかないからだ。」(『野生の思考』)

スワローズの若松前監督は、手持ちの選手で戦って不平を言わなかった。野村楽天監督から教わったのかも知れんな。

政治思想も芸術的前衛性もわずか数年で陳腐化し、「歴史のゴミ箱」に投じられる。だから、絶えず「最新情報」にアンテナを張り巡らせ、「最新流行」にキャッチアップし、「最新の理説」を「最新の術語」で語り、ついてこられない人々を「反歴史的」と一刀両断する。(『東京ファイティングキッズ』)

ちゅうことは小沢氏、感覚的には社会主義に親近感持ってんのかもしんない。だから民主党党首でいられるってこと。

このサルトルのスタイルはその頃すでに現代人の「ふるまい方の自明」として共有されかけていたわけですが、レヴィ=ストロースはおそらくそれにきっぱりと「ノン」をつきつけようとしたのです。(『東京ファイティングキッズ』)

そして程なくサルトルは思想家としての命運を絶たれた。

小沢氏は手本にする言葉の選択を間違ったんじゃないの?

今期、古田は不平ばっかり言っていた。

「この戦力でどうして勝てるんだ?」

小沢氏も言っている。(海千山千の政治家だからホンネがどこにあるのか分らんけど)

「今の民主党には政権担当能力はない」

小沢氏、政界から去るべし。